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「引いて残った数」だけが引き算じゃない!意外と難しい小学一年生の求残・求補・求差の教え方

こんにちは。ジャマイカで青年海外協力隊として算数を教えているフルタ(@Furuta_Jamaica)です。

 

 

突然ですが、皆さんが小学校一年生に引き算って何?と聞かれたらどうやって答えますか?

 

 

大人としては

「何個かの物からいくつか取って、残りの数を求める計算だよ」

 

という人が多いんじゃないかと思います。これ引き算ですもんね。

 

でも、引き算=この計算と教えてしまってもいいんでしょうか?

 

例えば、こんな計算はどうでしょう。

 

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7個のりんごと5個の青りんごがあったとします。

りんごと青りんごの数の違いはいくつですか?

 

これも引き算で7-5ですよね。

ここで「いくつか取るのが引き算だよ」と教わっている子どもは???と思ってしまうわけです。

ここでは大きさを比べているだけで、「取る」とか「引く」とかいう作業は行われていません。

 

このような色々な引き算を僕たち大人は一般化して捉えていますが、子どもにはまず最初に「引き算とはどういう計算なのか」ということ、計算の意味をしっかり指導しなくてはいけません。

 

今日は、簡単なようで奥が深い、一年生の3つの引き算の指導を考えたいと思います。

 

目次

 

小学一年生の3つの引き算

小学校一年生が学ぶ引き算は以下の3つです。

  1. 求残
  2. 求補(求部分)
  3. 求差

ひとつずつ見ていきましょう。

 

①「のこりはいくつ」の求残

まず一つ目の求残は、例えばこんな問題。

 

5個りんごがあって、2個食べると・・・

 

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5-2で3です。このように、はじめにある数量の大きさから、取り去ったり減少したりしたときの残りの大きさを求めるのが求残です。

 

これを指導するには、

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りんごをブロックに置き変えてあげてから

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このようになくなる様子を手の動きと結びつけながらイメージさせていきます。

 

これはいわゆるひき算って感じで子どももイメージしやすいんじゃないでしょうか。

 

 

②「男の子は何人?」の求補

次は求補。例えばこんな問題です。

 

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こどもが7人いて、そのうちの3人が女の子です。男の子は何人ですか?という問題。

 

これも引き算で求めることができますね。

 

ただ、「取ったり」「引いたり」「いなくなったり」することが引き算だと思い込んでいる子は、ここを引き算とつなげることができません。

 

なぜなら、この計算の中では「ひく」という作業が見えないんですね。

女の子たちがどっかに行っちゃうわけではないので。

 

だからこそ、ここではブロックを使いながら「ひけば答えが出る」ということを気づかせなくてはいけません。

 

まず子どもたちをブロックに変えます。

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この男の子の部分を知りたいわけですから、女の子の3つを取っちゃえば男の子の数が分かります。

じゃあ、実際にブロックで操作をしてみると、

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こうなりますね。

この操作を見てみると、①の求残でやった操作と全く同じです。

 

つまり、この②の計算では実際に女の子がいなくなるようなことは無いんだけど、①と同じように「ひけば」答えがでる、つまり引き算をしてあげればいいということになります。

 

求補も結局、求残と同じことをしてあげれば答えが求まるんだ!ということを理解させるのがここでの目的ですね。

 

 

この①②が終わったら次は③なのですが、③は少しイメージが違って立式できない子が多くなるので、引き算の計算の反復練習をここで入れます。

 

ジャマイカの生徒の計算練習についてはこちらで書きました

小学一年生の算数で超重要な「繰り上がりなし引き算」の教え方

 

 

③「ちがいはいくつ」求差

最後はこの求差。簡単なようで、教えるのはとても難しい。。。

 

例えばこの問題。

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りんごが5個、青リンゴが3個あったとき、その数の違いを求める問題。

今までの①と②では全体から一部を引けばよかったのですが、③ではそうはいきませんね。

 

この場面でも、5-3=2と引き算を使って求められる理由を理解させなくてはいけません。

このタイプの引き算は一番イメージしにくいタイプです。

実際にジャマイカでは、このちがいを求める場面と引き算と結びつけることができる低学年の子どもは本当に少ないと感じます。

 

いつもと同じようにタイルに置き換えますが、分かりやすいようにりんごの種類で色を変えます。

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もっと分かりやすくするために、このタイルたちをこのように並び替えます。

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以前書いた一対一対応ですね。こうしてあげることで余っている数が一目瞭然。

 

違いの数を出すためには、一対一対応した分を引けばいいのでこう操作します。

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ここまでやれば、違いを求めるときにも①や②の操作で答えが出せることが分かってきますね。

 

違いを求める場面でも引き算が使える、ということを小学一年生が理解するにはこれだけ緻密な説明が必要なんですね。

 

 

計算の意味を大切にする

ジャマイカではこういった計算の意味についての指導がほとんどされません。

 

引き算は「TAKE AWAY」という一言で片づけられてしまっているため、求補や求差の計算ではひたすら足し算的に数えて答えを求める子がほとんど。

 

ジャマイカの生徒の文章題の立式力の低さは、国をあげての課題として捉えられています。

それはこういった基本的な指導が理由の一つになっています。

 

実際に計算の意味が理解できていない子は、こんな間違いをしていました。

ジャマイカの小学生が、10-5を10にしてしまう想定外な計算方法

 

 

ただ、こういったことが大事だよ、とどれだけ伝えてもジャマイカ人の先生にはなかなか伝わらない。

 

「何でこんな簡単なことにこれほど時間をかけなきゃいけないの」と言われてしまいます。

 

僕の説明力と語学力と忍耐力が問われていますね。

分かってもらうのは難しいけど、コツコツ頑張るしかないみたいです!

 

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