じゃあ まあいっか

ジャマイカと算数と俺とエビ。。。

指が十本しかないジャマイカの子どもが考えた「繰り上がり」の3つの解き方が面白かったので紹介します

 

こんにちは。ジャマイカで青年海外協力隊として算数を教えているフルタ(@Furuta_Jamaica)です。

 

教員として算数や数学の教科を指導しているとき、当然その論理をどう教えるかということも面白いんですが、それ以上に面白いことがあります。

それは「新しい概念が出てきたときに、子どもたちがどう乗り越えようとするか」ということです。

今日はジャマイカの子どもたちから、そんな面白さを感じたことを書こうと思います。

 

目次

 

繰り上がりのない足し算

以前、数え足しの型の分類を書きました。

途上国の算数教育あるある数え足しをジャマイカで徹底分析してみました

 

ここで出てきているように、ジャマイカでは計算を「指で」学びます。

これに関しては色んな意見が上がると思いますが、ジャマイカの今までの歴史や資源的背景などから僕は指を使うことはOKにして指導しています。

 

指がないと計算できない様になっちゃったらどうしようと心配する保護者もいるようですが、大丈夫です。

使い方を間違えなければ、だんだん指から離れていって最終的に頭の中で計算できるようになります。

 

この動画は引き算ですが、最初は指をじ~っと見てた子どもたちもこれだけ素早く答えが言えます。不思議だよな~。子どもたちはどういう感覚なんだろう

 

繰り上がりのある足し算

ただ、指を使った計算は「答えが10より小さい」場合にしか使えません。

例えば「9+6」という計算では答えが10を超えるため、指だけで計算できなくなってしまいます。

 

ここから10のまとまりを使って繰り上がりをする解法を教えていくわけですが、あえて子どもたちにどうしたら解けるかをゆだねて考えてもらいました。

そしたら子どもたち、彼らなりに一生懸命考える!考える!

その中でも面白かった3パターンを紹介いたします。

 

①友達を連れてくる

「9+6」と言われて今までと同じように指を立てようとしますが、「あれっ足りない」と気づく女の子。う~~~ん。としばらく唸った後、友達をもう一人連れてきて「ちょっと9本立てといて!」と言います。

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れいい線いってますよね。片方の子から1本とってもう片方の子に一本増やせばバッチリMake10の考え方。

9本立てといて、と言った後に続きから数えるんじゃなくて、量を見ようとしてる。

タイルのように1を移動するという発想は自分たちで出せませんでしたが、すごいよ。

 

②足の指を使う

何をするかと思いきや、靴下を脱ぎ始める男の子。

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しかも面白いことに、足の指からスタートしてた。笑

 

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そして、最後の指が何番目だったかで答えを出す。ただ、何番目だったかを覚えていないため、もう一度最初から数えなきゃいけない二度手間。笑

 

これ、さっきの①と似ているようだけど、決定的に違うのは順序数を使っているという点。

足の指を折ることはできないので、それぞれの指が何番目かという順序で答えを出してるんですね。分かりやすく言えば、指を数直線に見立てて一本一本進んでいる感じかな。

 

③16進法的に考える

驚愕したのは、ある男の子のやり方。

なんか指の使い方が、アクロバティックなんです。笑

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指にキスして数える方法は他の子どももやっているんですが、どうやらこの子は指以外のところにもキスしている???

 

他の問題も与えて観察していると、なんと指以外の部分も1に見立てていることが分かりました。番号を振るとこんな感じ。

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小指の付け根の横の出っ張りを⑥

手の掌底あたりの出っ張りを⑦

手首の出っ張りを⑧という風に目印にして数えていたんです。

 

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すんごいねこりゃ。だからあんなにアクロバティックになってたのか。

 

ただ、片手で8まで数えられるということは、両手で16までいける。

答えが16までなら繰り上がりの考えがなくても足せるということになります。

一桁の計算で答えが17,18になるのは「9+8,8+9,9+9」だけなので、ほとんどの計算はこれで行けちゃうことになります。

 

こんなのよく考えたねぇ。すごい。すごいけどちょっとやばいよこれ。笑

2桁とかになったら、ヒザとかくるぶしにもキスし始めそうなので止めておきました。笑

 

 

ちなみにこの計算の仕方が面白くて、他の国の記数法について色々調べていると面白い話を発見しました。

どうやら、パプアニューギニアの一部の部族では数詞という概念がないらしく、体の部分を数字に対応させて考えているそうです。

 

6だったら手首、8だったら肘、14だったら鼻というように、数詞は存在しない代わりに体の部分部分でその多さを伝えるとのこと。原始的な生活をしているから、それ以上の数を日常的に扱うことがないんだろうなぁ。

 

 

算数で養いたい力

いろんなやり方をチャレンジしてくれた子どもたち。

この子たち、小学校一年生です。一年生でも、こうやって課題を解決するために考える力があるんですね。

 

わからない課題に取り組むときに、自分の知っている知識を組み合わせたり応用させたりする。

これって算数だけじゃなくて、いろんなところでも言えることだと思うなあ。

 

だからこそ、僕は教員として「子どもの中の論理」を見抜ける専門性をもっと身につけないといけないなと思いました。

 

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