読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

じゃあ まあいっか

ジャマイカと算数と俺とエビ。。。

ジャマイカで分数のかけ算の授業を見ていたら、俺だけついていけなくなっちゃった話。

算数 算数-教材研究

こんにちは。ジャマイカで青年海外協力隊として算数を教えているフルタ(@Furuta_Jamaica)です。

 

突然ですが、もし子どもに次のような問題の解き方を聞かれたらどう教えますか?

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170113071500p:plain

計算の仕方は簡単ですね。分子は分子同士、分母は分母どうしかけ算すればいいわけです。

ただ、「なぜ?」と聞かれたら困ってしまう大人は多いんじゃないでしょうか?

 

先日、この分数のかけ算の授業観察を行ってきました。

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170110085927p:plain

 

目次

 

 

日本での教え方

この分数のかけ算は、日本では6年生で指導されます。

東京書籍の教科書の導入では、

「1dLで、板を4/5㎡ぬれるペンキがあります。

このペンキで2/3dLでは、板を何㎡ぬれますか。」

という問題が使われていました。

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114084231j:plain

いや、もう追加でペンキ買っとけよ。

しかしこれが算数。

 

立式

この問題を数直線の図で表してみます。

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114051816p:plain

ぬれる面積は、使うペンキの量に比例するので2dLなら4/5×2をするのと同様に2/3をかければよい。というわけで立式できました。

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170113071500p:plain

 

計算のやり方の理屈は

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114055549g:plain

こういうことです。このような面積図を用いた説明が主要な指導法の一つだと思います。

 

全体の四角が1平方メートルだとすると、

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114060047p:plain

4/5はこの量ですね。それを1/3にする、つまり3で割れば

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114060412p:plain

これが二個あれば、2/3にあたる量を求めることができて

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114060717p:plain

知りたかった値はこの青い部分になります。

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114061526p:plain

分数×整数と分数÷整数に関しては、5年生で習っているので

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114061703p:plain

整数で割るときは分母にかけ算

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114061807p:plain

整数をかけるときには分子にかけ算

これで、分子は分子と、分母は分母と、という理屈に持っていけるわけです。

 

まとめると、まず1/3dLでぬれる面積を求めて、それを2倍するということです!

 これが日本での説明の仕方の一つです。

 

 

ジャマイカでどう教えていたか

今回向かったのは、雰囲気も学校の先生のレベルもとても良い学校。

とくに今回見た先生は、生徒の意見を引き出そうとしたり(ジャマイカでは珍しい)

意見を否定しなかったり(ジャマイカでは珍しすぎる)素晴らしい先生です。

 

先生なりの工夫

こんな感じで導入に入りました。

 f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114063929j:plain

2/4×3/6という式を提示した先生。それと同時に円を書いて、それぞれの分数がどういった量を表しているかをイメージしやすいようにしています。

ツッコミどころは後から分析していくことにして、まず図を使って少しでもイメージを持たせようとしているところは素晴らしいなと思います。

 

計算の手順を教え込む先生がほとんどであるジャマイカで、意味を教えようという意欲をもっている先生は非常に貴重。

まずは先生、バンザイです。ここからは俺の仕事。

 

約分できてまう!!笑

まずびっくりしたのは2/4×3/6という問題のチョイス。笑

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114070904p:plain

両方約分できちゃうし、どっちも1/2になっちゃうという奇跡的な問題。日本ではなるべく余計な要素が入らないように数字を選びますが、この先生はなかなかすごいところを選んできました!笑

 

概念的理解はない

また、ジャマイカでは文章題から立式して解き方を考えるという流れがほとんどないため、問題の具体的イメージが全くありません。

 

加えて、図を使って導入をしたものの、それぞれの分数を図にしただけで分数のかけ算の意味の説明は全く成り立っていません

結局、最終的にはやりかたを教え込む形になってしまいました。分数×分数の概念は、この先生以外にも説明できない先生がほとんどだと思うので、広めていかなきゃ。

 

謎の分数が登場

こんな感じで、分数のかけ算としては改善できるところが山ほどある。これは、先生と一緒にやっていけば改善できることは明らかです。

ただ、この授業で一つ、ものすごーくもやもやすることがありました。

 

それがこれ

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114072219p:plain

これ、何に見えますか?

僕には4/8に見えたので、生徒に4/8だよ~とか言って回ってたら、結局これは3/6でした。生徒から責められた。笑

 

なぜこれが3/6?

なぜこれが3/6になってしまうのか、そして生徒もそれに対して疑問を抱いていないのか。この教室でそれを理解していないのは俺だけ。笑

「なんで?なんで3/6なの?」と生徒に聞いて回る俺。ダサい。笑

 

しばらく考えて、その意味がやっと分かりました。

先生はこういった手順で3/6を書いていたんです。

f:id:furuta-yutaro-jocv:20170114074319g:plain

なるほどねぇ~。円を6個に分けるときに、まず4つに分けてからもう一回分けちゃったのか。

「等分する」という頭しかなかったのでまさか3/6だとは思いませんでした。

 

この3/6からわかること

ここからわかるのは、まず先生も生徒も「等分する」という感覚を持てていないんだなと思いました。

明らかに大きさの異なる1/6を見ても気持ち悪くならない。生徒もそれに疑問を抱いていない。

 

日本なら、板書の分数の図をちょっとでも適当に書くと「センセ~。同じ大きさに見えませ~ン」とかいってやたら厳しい生徒もいますが、これを言える感覚というのはとても正しいことなんだな、と。

やっぱり、日本の子は折り紙を折る操作を通して、「どの部分も同じ大きさである」という感覚を持ちながら分数をとらえている、ということを気づかされました。

 

追記:これに関することを書きました。(2017/1/17)

furuta-yutaro-jocv.hatenablog.com

 

 

 

どこからサポートしていくべきか

今回の授業では、分数のかけ算を見ました。現状も把握できましたし、改善点も整理できたし、教えればこの授業はよくなるだろうと思う。

 

ただ、本当に取り組むべき課題はここなんだろうか?とは思いました。

日本であれば2年生で養う基本的な感覚を、5年生の子たちが持てていない。

そういった生徒に対し、いきなり新しい視点の指導を取り入れたところでそれは根本的な解決と言えるんだろうか?「その授業だけよくなった」になってしまわないか?

 

やっぱり僕は、低学年の指導を変えることに鍵があるんじゃないか、と密かに考えています。

 

 

まとめ

ジャマイカで分数のかけ算の授業を見たら、概念的な指導がほとんどなくやり方を叩き込んじゃってることが分かりました。

加えて、もっと基本的な、そして大切な分数の感覚を持っていないかもしれないことも分かってきました。

 

どこからアプローチしていくか、ということは限られた2年間の活動を大きく左右する選択だなと思いました。

ガンバロ!!

 にほんブログ村 海外生活ブログ 青年海外協力隊へ
にほんブログ

 

こっちも読んでね。

furuta-yutaro-jocv.hatenablog.com

furuta-yutaro-jocv.hatenablog.com

 

 

Twitter(@Furuta_Jamaica)ではジャマイカの日常をツイートしてます。